ビール・発泡酒のプリン体が多いって本当?

医学の豆知識

プリン体が人体に与える影響と働き・プリン体を多く含有する食品・食材を入門者向きに専門解説

◆ビール・発泡酒のプリン体が多いって本当?

【ビール・発泡酒のプリン体は多い?】

プリン体の過剰摂取が起因となる病気の一つに「痛風結節」と呼ばれる病気があります。

痛風はプリン体が多い食品の特徴と簡単な見分け方の項で痛風に悩まされた歴史上の人物でも解説しましたが、「帝王病」とも呼ばれるように、贅沢な食事をしている人に多く発症する病気と思われております。

そしてその原因のひとつにビールなどのアルコールの存在が関与していると思われております。

特に、痛風患者の9割以上は男性であるという特徴からも「仕事の接待」などでアルコール摂取が多いのが要因として考えられるようになったのです。

しかし、実際はビールなどのアルコールに含まれているプリン体量は実はそれほど多くありません。

ビールは多くのメーカーから販売されているため、一概にプリン体含有量を説明できませんが、100mlあたりのプリン体含有量は5mg~10mgの範囲内に大方落ち着きます。

これは、100gあたり何mg含まれているかの指標の項の一覧表を見ても変わる通り「極めて少ない」に分類される範囲です。

ビールのプリン体は実は少ない【画像】

その為、痛風に至る現実的な原因の背景には「偏食」「多食」「摂取過多」などの食べ物の摂取に原因があるケースが大半です。

◆ビールのプリン体含有量は決して高くない

当然、ビールなども大量に摂取した場合、例えばジョッキで5~6杯などとなってくると、総合的に摂取量は増えてしまいます。

しかし、食品に含まれるプリン体含有量と比較すると、決して多い数値ではありません。

プリン体の量を考えた場合はビールは決して悪い食材ではありません。

但しビールの場合は、どうしても絶対的な摂取量が増えやすい事に最大の問題があるのですね。

ビールとプリン体の問題【画像】

ビールを2~3リットル飲むことはできても水ならば1リットルでもきついものです。

痛風でビールやアルコール類の摂取が問題視されるのは、多量の摂取になりやすい事が問題の背景にあることを理解しておきましょう。

◆尿酸値とプリン体の関係・尿酸とは?

【尿酸値とプリン体の関係】

尿酸値とプリン体の関係についてわかりやすく解説します。

まず、尿酸とはいったい何ものなのでしょうか?

この尿酸とは、「白色」「無味」「無臭」の全ての人の体内に存在する物質です。

この尿酸の生成は、プリン体のエネルギー代謝などによって生成される仕組みとなっております。

プリン体は、細胞の修正、エネルギー代謝などの際に消費され、消費後には老廃物が残ります。

このプリン体の老廃物・廃棄物が尿酸の正体です。

この老廃物である尿酸は、体内の体液を通じて体内を循環し、やがて腎臓から尿となって体外へ排泄されます。

あまりに多い尿酸は処理できない?

通常は体内で代謝物として造られた尿酸は尿として体外へ排泄されます。

しかし、この尿酸の量があまりにも多くなりすぎると、「排泄しきれない尿酸」が体内に蓄積されてしまうこともあります。

このようなケースでは痛風と呼ばれる関節炎を発症することもあるので注意が必要です。

痛風は排泄しきれなかった尿酸が関節に付着し炎症などを引き起こす関節炎を伴う病気でその痛みは大人でも耐え難い激痛となります。

痛風は発症してしまうと治療が長期的になるため、予防段階で食い止めることが重要です。