プリン体とは、プリン骨格を持つ物質の総称のことです。(英語表記⇒purine body)
プリン体は細胞内の基本である「核」と呼ばれる部分に存在します。
核は食品や、食材によってその数が異なり、「1食品につき幾つ」という決まりはありません。
ですから、プリン体を多く含む食品は、その食品の細胞数が多い食品となります。
※プリン体は細胞の核に存在する為、多くの細胞数で構成されている食品・食材ほどプリン体含有量が多い食品となる
プリン体はあらゆる食品・食材の核となるものです。
あまり耳慣れない言葉ですがプリン骨格をもつ物質は、以下のような物質に分類されます。
●プリン塩基
●プリンヌクレオシド
●ATP系
基本的にすべての食品となる物質には細胞が存在します。
そしてプリン体は、細胞の核部分に存在する物質ですから実質プリン体は全ての食品に存在することになります。
ですからプリン体の量を把握するポイントは、その食品がもつ細胞の数であることは間違いありません。
但し、この食品の細胞数は目に見えるものではありません。
その為、数えるわけにはいかないため、実際に多くのプリン体を含む食品を把握するには勉強が必要となります。
尚、覚えていなくてもプリン体を多く含む可能性の高い傾向などを把握することで食材に含まれるプリン体含有量のおおよその目安を予測することは可能です。
【プリン体含有量の目安】
プリン体含有量とは、その食品に対し、どの程度の量のプリン体が存在するか?を示す指標となる数値です。
尚、プリン体含有量を示す指標となる単位は「ミリグラム単位」として表示されるのが通常です。
基本的には、100gあたり、何ミリグラムのプリン体含有量があるか?もしくは1食で摂取する平均値あたり、何ミリグラムのプリン体含有量があるか?という指標をもとにプリン体含有量をチェックします。
※プリン体含有量は原則100g当たりの含有量で示す
プリン体含有量は原則的に100グラムあたりどの程度含まれているのかを示す数値であることは前述したとおりです。
では、いったいどの程度の含有量が一般的に多いか少ないかの判断基準となるのかについても確認しておきましょう。
食品には100グラム以下の少量で一品とみなすもの、またビールなどのように最低でも350ml程度の量が一本の基準となるものと様々なものがあります。
その為、一概に100グラム単位でみプリン体が多いか少ないかを判断する事は難しいものがあるという点は事前に把握しておく必要があります。
尚、最も基本である100g単位の指標ではプリン体含有量の量によって目安となる指標を覚えておくと便利です。
分類としては「極めて多い」「多い」「通常」「やや少ない」「かなり少ない」「極めて少ない」の6つに分類できます。
あくまで目安としての指標となりますが、痛風治療などで食事制限が入っている場合などはプリン体含有量を確認する際に把握しておきたい指標であると言えます。
【プリン体含有量100gあたりの目安となる指標】 | |
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含有量の範囲 | 評価 |
プリン体含有量300㎎以上 | 極めて多い(干物系食材・にぼしなどに多い) |
プリン体含有量200㎎~300㎎以内 | 多い |
プリン体含有量100㎎~200㎎以内 | 通常 |
プリン体含有量50㎎~100㎎以内 | やや少ない |
プリン体含有量20㎎~50㎎以内 | かなり少ない |
プリン体含有量20㎎以下 | 極めて少ない(単細胞食品・たまごなど) |
魚類は肉類や貝類、エビなどの甲殻類と同様にプリン体を多く含む食品の代表格に分類される食品です。
特に、カツオやイワシ、アジなどの魚はプリン体含有量が高く、肉類と同じく一定量を食事で摂取する為、プリン体摂取量が多くなりやすい食品と言えます。
また、魚類は干物にする事で更にプリン体含有量が高くなります。
缶詰は加工食品ですが、干物のように凝縮される訳ではありません。
その為、プリン体細胞量がほとんど変化しない為、多少ヘルシー感はありますが、プリン体含有量は普通です。
【100gあたりの魚類のプリン体含有量一覧】 | ||
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種類 | 分類 | 含有量(mg/100g) |
カツオ | - | 211.4mg |
マイワシ | - | 210.4mg |
ニジマス | - | 180.9mg |
マアジ | - | 165.3mg |
マグロ | - | 157.4mg |
サンマ | - | 154.9mg |
トビウオ | - | 154.6mg |
イサキ | - | 149.3mg |
赤カマス | - | 147.9mg |
キス | - | 143.9mg |
ニシン | - | 139.6mg |
サワラ | - | 139.3mg |
ドジョウ | - | 136.0mg |
ヒラメ | - | 133.4mg |
アユ | - | 133.1mg |
アイナメ | - | 129.1mg |
マダイ | - | 128.9mg |
メバル | - | 124.2mg |
マサバ | - | 122.1mg |
ブリ | - | 120.8mg |
スズキ | - | 119.5mg |
赤アマダイ | - | 119.4mg |
サケ | - | 119.3mg |
マガレイ | - | 113.0mg |
コイ | - | 103.2mg |
ハタハタ | - | 98.5mg |
ワカサギ | - | 94.8mg |
ウナギ | - | 92.1mg |
【100gあたりの干物・缶詰のプリン体含有量一覧】 | ||
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干物の種類 | 分類 | 含有量(mg/100g) |
マイワシ | - | 305.7mg |
マアジ | - | 245.8mg |
サンマ | - | 208.8mg |
カツオブシ | - | 493.3mg |
ニボシ | - | 746.1mg |
缶詰 | ツナ | 116.9mg |
缶詰 | サーモン | 132.9mg |
タラコ、明太子、スジコ、カズノコ等の魚卵は粒が小さいほどプリン体含有量が高くなります。
これは100gあたり何mg含まれているかの指標の項でも解説した通りたまごは「単細胞食品」であるため、例えば鶏卵もタラコ一粒も同じ一つの核でありプリン体量は変わらない為です。
その為、卵の粒の小さなタラコ、明太子と比較して、魚卵としてはやや粒の大きなスジコ、カズノコは100gあたりのプリン体含有量が少なくなっております。
【100gあたりの魚類のプリン体含有量一覧】 | ||
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種類 | 分類 | 含有量(mg/100g) |
明太子 | - | 159.3mg |
タラコ | - | 120.7mg |
スジコ | - | 15.7mg |
カズノコ | - | 21.9mg |
貝類やエビ・カニなどの甲殻類、そしてイカ・タコ等の軟体動物のプリン体含有量は平均的にやや高い食品が多いのが特徴です。
但し、肉類や魚類などのように、食事で大量に摂取する事もないため、プリン体を意識して貝類などの食材を制限するまでは必要ありません。
肝機能を助ける働きを持つとされる「タウリン」は、しじみやあさりなどの貝類や、イカ、タコ、エビ等に多く含まれているため、肝臓に優しい食材としてはこれらの食材は積極的に摂取したい食材です。
主な貝類、エビやイカなどのプリン体含有量は以下の一覧表をご確認ください。
【貝・エビ・カニ・イカ・タコのプリン体含有量一覧】 | ||
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種類 | 分類 | 含有量(mg/100g) |
スルメイカ | - | 186.8mg |
ヤリイカ | - | 160.5mg |
タコ | - | 137.3mg |
クルマエビ | - | 195.3mg |
大正エビ | - | 273.2mg |
シバエビ | - | 144.2mg |
オキアミ | - | 225.7mg |
ズワイガニ | - | 136.4mg |
タラバガニ | - | 99.6mg |
アサリ | - | 145.5mg |
カキ | - | 184.5mg |
ハマグリ | - | 104.5mg |
※公益財団法人痛風財団http://www.tufu.or.jpより引用
たまごなどはイメージ的にプリン体を多く含む食材と思われがちです。
しかし実際は「単細胞食品」であるためプリン体含有量に関しては極めて低い食品であることがわかります。
実際に鶏卵一個に含まれるプリン体含有量はプリン体の基準単位である100gあたり何と0.0mgです。(極めてゼロに近い数値ですが実際はゼロではありません)
単細胞食品という事は、「鶏卵ひとつ」と「いくら一粒」のプリン体含有量が同じという事です。
ですから、100gあたりのプリン体含有量はいくらの方が3.7mgと鶏卵よりも高くなります。
とは言え、前述したように100gあたりのプリン体含有量が20㎎以下ですから「いくら」もまた極めて少ない食品に分類されます。
逆にカルシウムが豊富で健康に良さそうとおもわれがちな「にぼし」などの干物系食材は水分が抜け凝縮されていることもありグラム単位あたりのプリン体含有量は極めて高くなっております。