成長期の子供の膝・踵・足の甲の成長痛の解説

医学の豆知識

成長期の子供の膝・踵・足の甲の成長痛の症状の特徴、痛みの原因、治療方法を入門者向きに専門解説

◆成長痛について

成長痛という言葉の概念は成長期の子供に訪れる症状の総称的な意味合いをもつようになってきており、どの部分までが成長痛であるのか?については医学的にも明確な分類はなされておりません。

しかし、発症部位に特徴がある点や、年代別の傾向からおおよその対処法の目安などを検討していくことは可能です。

また、成長期特有の骨端周辺に痛みが発症しやすいという特徴も見逃せないポイントです。

◆骨端部分の軟骨組織はもろい?

成長期の子供が抱える痛みの原因の多くは成長期特有の「骨端部分のもろさ」が原因となって障害を発症してしまっているケースが大半です。

骨の成長元となるこの骨端部分は骨と比較すると柔らかい軟骨組織でできている為、大きな負荷を受けると炎症を起こすなどのダメージを受けてしまうことが多くあるのです。

これは多くの成長期の障害に共通して関連していることでもあり、これらの骨端部分に関わる疾患は骨端症と呼ばれ、成長痛の多くのケースでこの骨端症を伴うケースが確認されます。

その為、逆に幾つかのパターンを覚えていくと対処法や処置法にも類似している部分が多い為、より理解も深まりやすくなると言えるかもしれません。

今回は成長期の多くの子供がかかえる悩みのひとつである成長痛(英語growing pains)について見ていきましょう。

目次

◆成長痛とは?医学的には原因不明

成長痛という言葉は、比較的広く知られている言葉のひとつです。

この成長痛は、思春期を迎えた子供が成長する際に痛み症状を伴う病気や疾患の総称として「成長痛」と呼ばれてきた経緯があります。

しかし、現在、医学的な見解では明確な成長痛の定義はまだなされておりません。

※成長痛とは成長期の子供に発症する痛みを伴う病気の総称であり明確な病気の定義は存在しない

但し、幼児から中高生の成長期にかけて「特有の症状や特徴をもつ痛み」が見られる傾向にあり、これらの症状を現在では「成長痛」と呼んでおります。

◆成長痛の症状の特徴について

成長痛の症状として具体的にどのような症状があるのかについてチェックしてみましょう。

成長痛と呼ばれる症状を発症する一般的な症状の特徴としては主に以下のような特徴があります。

【成長痛の症状の特徴とは?】
☆夕方から朝方にかけて下肢の膝のまわりに痛みを感じる
☆足のかかと部分に痛みを生じる
☆股関節や足の付け根部分に痛みを感じる
☆足の甲部分に痛みを生じる

このような特徴を見てみると成長痛は主に下半身に痛みを訴えやすい傾向にあることが見てとれます。

◆最も多いのは膝の痛み症状

尚、この中でも子供が最も症状をうったえる部位は「膝」で膝の痛みは2歳・3歳・4歳などの幼児期の子供にも成長痛と見られる膝の痛みを伴う症状がしばしば確認されます。

また、小学生高学年から中学生になると、いわゆる第二次成長期と呼ばれる成長期に入り、膝の他にもかかとの痛みを発症しやすい傾向がある点も覚えておきたいポイントです。

◆2種類の痛みの原因について

子供の成長痛の原因は大きく分類すると2種類の可能性・要素を検討することができます。

その2つとは「自律神経性の痛み」「疲労性・ストレス性の痛み」の2種類です。

※成長痛の原因は自律神経性のものと、疲労性・ストレス性のものに分類される

膝の痛みなどの特有の症状を訴えてくるのは2歳児や3歳児など幼児期の場合も多く、親にとって小さな子供が泣き叫ぶのは胸が苦しくなるもの。

しかし原因を探り、把握してあげることである程度の対処は可能であり過度な心配をする事もなくなります。