アキレス腱反射は幾つかの腱反射測定部位の中でも膝蓋腱反射とともに最も広く診断が行われる部位の一つであると言えます。ここでは実際にアキレス腱反射の測定を行う際の打鍵部位と判定のポイントを見ていきましょう。
アキレス腱反射を実際に行う方法について解説します。
反射を確認するために使用するものは「打腱器」と呼ばれる専用の器具を使用します。
打腱器は基本的にゴム上のハンマーを利用します。
打腱部位は、アキレス腱下部、踵から上3~5センチ部分を直接打腱し反応を確認します。
※アキレス腱反射の打腱部位=アキレス腱下部・踵下端部から上方3~5センチ部分
打腱では実際の反射の有無、大きさ、広がりなどの要素によって、その症状をチェックしていくことになります。
場合によっては、反射が完全喪失している場合もあるので、反応がない場合に過度に打腱する意味はありません。
アキレス腱反射の判定のポイントは以下のとおりです。
◆量的変化(亢進、低下、消失)
◆質的変化(筋収縮のスピード、広がり)
◆左右の反応差
以上のポイントを観察し腱反射の状態を判定していきます。
但し、アキレス腱反射に限らず腱反射を確認する際は患者の意識的な緊張を防止する事が重要です。
これは、緊張によって腱反射は大きく異なる事が原因です。
過度な緊張は、腱反射そのものを防止してしまい症状の判定が下せなくなってしまいます。
尚、正しい誘発を促すにはジェンドラシック手技の記事をご参照ください。
リラックスできる状況で行うことで正しい反応を得られる事を忘れてはいけません。
腱反射の受容器、いわゆるレセプターは「筋紡錘」及び「腱紡錘」に存在します。
これらのレセプターは感覚を直接脳を解さずに防御反応として反射を起こします。
受容器の働き、役割は主に筋の長さの変化の感知です。
これらの変化を司るセンサーが受容器の役割であり、その感度は神経によって伝達・コントロールされております。