糸球体の役割・働き

糸球体とは何だろう?腎臓と糸球体の構造・働き、及び腎臓と関わりの深い浮腫みのメカニズムの解説。

◆糸球体の役割・働き(もくじ)

◆ボーマン嚢の構造と働き

 腎臓は腎臓内部の各器官がそれぞれ自分の役割を果たすことで機能しております。尿の濾過作用と一言で言ってもその作用や働きはとても細かく調整されており、浸透圧の調整、体性のコントロールなど様々な働きを行いながら老廃物を分別したり栄養素の再吸収を行なっているのです。

【ボーマン嚢の構造と働きについて】

 ボーマン嚢とは、糸球体を包み込むように覆っている組織です。

 この糸球体を包み込むような形状を保っていることから糸球体包(しきゅうたいほう)とも呼ばれております。

 尚、毛細血管が糸状に細かく絡み合いながら丸くなっている糸球体と、その糸球体を覆っているボーマン嚢を合わせて「腎小体」と呼びます。

※腎小体=糸球体+ボーマン嚢

◆ボーマン嚢は3層構造

 腎臓の最大の役割は、やはり体内を巡る血液成分内の濾過機能、及び成分の分別機能です。(前述した基底膜の項参照)

 糸球体で濾過された血液成分はやがて「原尿(げんにょう)」として糸球体包へ染み出てくるように集まってくるのは前項までに解説したとおりですね。

 この糸球体から糸球体包(ボーマン嚢)へ流れ出てくる原尿成分はおよそ1日だけで150リットル以上にも及びます。

※ボーマン嚢へ送られる原尿は1日約150リットル

 尚、ボーマン嚢の構造は以下の3層構造となっております。

※ボーマン嚢の構造
☆壁側葉
☆尿腔
☆臓側葉

 ボーマン嚢と糸球体で構成される腎小体には尿細管極と呼ばれる部分から「近位尿細管」に繋がっており、原尿の再吸収を行なう尿細管へ繋がります。

 尿細管は近位尿細管、中間尿細管、遠位尿細管、集合管に分かれており各々がそれぞれの役割を果たすことで腎臓の重要な役割を担っているのです。

【尿細管の役割と働き】
分類 主な役割と働き
近位尿細管 原尿に含まれている栄養素の大半を吸収する
中間尿細管 ヘンレループの下層構成・浸透圧の調整
遠位尿細管 塩分濃度の調整・浸透圧の調整
集合管 ホルモンの影響を受け細胞の透過性の調整、体内血液をアルカリ性・酸性に調整