糸球体の役割・働き

糸球体とは何だろう?腎臓と糸球体の構造・働き、及び腎臓と関わりの深い浮腫みのメカニズムの解説。

◆糸球体の役割・働き(もくじ)

◆老廃物ろ過装置機能が糸球体の最大の役割

 糸球体という言葉はあまり聞きなれない言葉かもしれません。医学の学習をしている時、腎臓の病気になった時や、健康診断や血液検査や腎臓疾患の可能性が疑われるような時に、腎臓の機能について調べた時に初めて耳にされた方もいるかもしれません。糸球体の最大の役割は私達が日常的に排泄している「おしっこ」を作る働きです。ここでは糸球体の役割、働きについて学習していきます。

◆腎臓は糸球体と呼ばれるろ過装置を保持している

 糸球体とはそもそもいったいどんな働きをもつ器官なのでしょうか?

 厳密に言うと糸球体とは腎臓内部にある「毛細血管」の集まってできた組織です。

 糸球体は糸状に絡まりあった形状をしており、ボール状(球体状)の形態となっております。

 糸球体という名前で呼ばれているのは、このような糸のような組織構造でかつ球状の形状となっている為なのですね。

※糸球体は腎臓内部の毛細血管の集合組織である

◆濾過された血液はやがて空洞となっているボーマン嚢との隙間に流れ出る

 糸球体は毛細血管の集まりですがその構造はいたってシンプルです。

 複雑に絡まりあった糸球体は大循環によって体内を循環してきた血液成分や体内の老廃物、そして各器官で栄養成分が代謝された際に産まれる代謝産物をろ過します。

 イメージとしては理科の実験などのろ過装置のイメージでしょうか?

 糸球体は後述しますが、毎日大量の原尿と呼ばれる尿の元となる血液成分を濾過しております。

 そして糸球体で濾過された血液はやがて空洞となっている「ボーマン嚢」との隙間に流れ出る構造となっております。

 腎臓の最大の機能である老廃物の除去、排出を行う際の栄養成分の分類を行う重要な器官が糸球体なのですね。

 尚、腎臓系の疾患は、この糸球体の働きが弱まってしまったり、機能が低下してしまった事が原因で発症する病気が多く、糸球体の働きは腎臓の中でとても重要な役割をもつ器官となります。

◆学校の尿検査でたんぱくが高いと言われたら?

 小学校や中学校では、学校で定期的に尿検査を行います。この尿検査では尿に含まれている成分を分析し、体に何かトラブルが発生していないかをチェックしております。
 特に尿中に蛋白が確認されるかどうかは最大のチェック項目です。

 もし尿検査の結果で尿蛋白の数値が高いと診断された場合は、尿中にたんぱく質が漏れでてしまっている可能性がある為、糸球体がしっかりと働くことができないような状態となっている可能性が検討されます。

 血尿や尿蛋白が確認されるケースでは、どの程度の量が漏れ出ているか?という状態を示す指標として「+1」「+2」「+3」「+4」という数値化された検査結果数値が保護者へ報告されるはずです。

◆尿検査でプラスが出たら一度診察を

 尿検査の結果数値は数値が高いほど、たくさん漏れでてしまっている状態である事を示します。

 もし尿検査の検査結果の数値が「+」を示しているようであれば、一度病院で医師の診察を受けてみると良いでしょう。

 尿検査の数値はちょっとした疲労やストレスでも+数値を示すケースもありますが、もし腎臓に何かしらのトラブルが発生している場合は早期治療によって症状の進行を事前に食い止めることができるかもしれません。

※腎臓は糸球体と呼ばれる「ろ過装置機能」を保持している