赤ちゃん股関節脱臼の知識

新生児・赤ちゃんに多い股関節脱臼の発症原因と主な症状、お母さんができるチェック診断項目、治療法と装具療法の解説。

◆赤ちゃん股関節脱臼の解説(もくじ)

◆臼蓋形成不全症状の特徴・治療法(CE角・シャープ角診断基準)

 臼蓋形成不全は乳幼児の股関節疾患の中でも割りと多く見られる股関節障害のひとつです。臼蓋形成不全では骨盤の涙痕を基準とした水平線ラインと臼蓋外上縁の角度を示すシャープ角が30度以上となっている場合に臼蓋形成不全の可能性が検討されますが、あくまで臼蓋の角度による診断は目安であり股関節障害を発症している特定とはなりません。但し、将来的に症状が進行していく可能性もある為、乳幼児期に適切な処置を行ない股関節疾患を発症させないように早期に治療を行なっておく事が重要です。

◆臼蓋の角度が原因となる臼蓋形成不全

 赤ちゃんの股関節障害のひとつに臼蓋形成不全と呼ばれる股関節の病気があります。
 この臼蓋形成不全とは股関節の構造上の問題が原因となって発症する股関節の病気です。
 臼蓋形成不全の特徴は股関節の受けの部分である臼蓋部分と、股関節の軸にあたる大腿骨の骨頭部分が上手にはまることが出来ずに関節が安定しないという特徴があります。

 通常股関節は、しっかり関節内に大腿骨の軸となる大腿骨骨頭部分がはまりこむようになっております。
 しかし、臼蓋形成不全の場合はこの受け皿の部分にあたる臼蓋の「角度」が急角度になっているため、すべり、脱臼を起こしやすくなっております。
臼蓋形成不全の診断を行なう際に医療機関で使用されている臼蓋の角度の指標としては「CE角」「シャープ角」と呼ばれる角度があります。
 CE角に基づく診断の場合は25度以下の角度の場合を主に臼蓋形成不全と診断し、シャープ角に基づく診断の場合は30度〜35度(乳幼児の場合は30度以上)を主に臼蓋形成不全として診断します。
 このように関節構造上の発育不全や形成不全が原因となって発症する股関節障害を臼蓋形成不全と呼びます。

【臼蓋形成不全の診断基準】
★CE角=25度以下
★シャープ角=30度以上

◆臼蓋形成不全の治療法

 臼蓋形成不全の特徴は股関節の形状が原因であり容易に脱臼に至る原因ともなるため、臼蓋形成不全の診断を受けた赤ちゃんはしっかりとした治療が必要となります。
 特に股関節は正常に機能することによって、形状・機能も成長とともに安定してくるものですから、初期段階での対応が重要となります。
 臼蓋形成不全の治療法の基本は、基本的には後述する先天性股関節脱臼と同じです。

 基本的な治療としては姿勢の矯正、そして状況がおもわしくない場合は装具の着用による矯正を実施します。
 臼蓋形成不全は、股関節がしっかりとあるべき場所にはまってさえいれば、成長とともに自然に改善していく障害です。
 股関節の関節部分の位置の確認はX線などで状況を確認しながら安定を計るようにしていきます。
 脱臼症と同じくやはり治療の基本は早期発見が何よりも重要であり手術療法などに頼らずに矯正を中心に成長過程の中で改善を計る治療が基本となります。